たまっていくペットボトル

理屈と膏薬はどこへでも付く

【読了】センスメイキング

センスメイキング

センスメイキング

 
自然科学的な見方や考え方だけでなく、人文科学的な視点で考えることも大切だよね、ということを主張している一冊です。最近の人文科学が軽視されがちな風潮に異を唱えるというコンセプトなのかなと思われます。
 
数値化は現実場面を抽象化して記録したものですし、言語化も記号としての特性や粒度が違うだけで抽象化という意味では対して変わらないと思いますので、個人的には自然科学と人文科学を二項対立的に取り上げることにあまり意味を感じていないのですが、そう扱う方が分かりやすいのだろうなと感じました(私見ですが、数学は言語の一種だと思いますし、プログラミング言語などはまさに言語そのものなので、対立させる意味がよく分かっていません)。
 
個人的に面白かったのは、後半の方でいくつか紹介されていた、文脈を重視した問題解決の事例でした。自然科学とか人文科学とかの括りではなく、丁寧に物事を捉えて多面的に考えていくことが、成功確率を高めるのだろうなと思いました。